佐世保市の水需要 これってどう言うこと!!

2012年度~2024年度までの赤字で書かれた予測値は、佐世保市水道局が算出した数値で県や国にも提出されたもの。青字で書かれたのが実績値。(赤:予測値 青:実績値)・・・赤が石木ダム建設の理由
佐世保地区の一日最大給水量1200.gif

・つまり昨年度は104,310㎥の予測に対して、実績は77,968㎥しかなかったのだから、その差は26,000㎥以上。2017年度の差は24,000㎥ほど。
ここ2~3年、なぜか微増したが、昨年度も今年度もまた減少に転じている。
各年度で多少の増減はあるものの、全体として見れば減少していることは間違いない。

<日本中が水需要の減少を示している>
2060年には今よりも水需要が4割も減少すると厚生労働省は予測。全国の水道事業体に、水道料金収入の減少という厳しい現実にどう対応するか準備をするよう警告している。
佐世保市だけが水需要が急増するなどあり得ない話。
この、あり得ない話の裏付けが、この水需要予測を行ったときの再評価委員会資料に書かれている。
https://www.city.sasebo.lg.jp/suidokyoku/suigen/documents/sai-siryou-01-01_1.pdf

<生活用水について~p10>
「渇水による異常減少傾向を排除すると、その他の年度は増加傾向にあり、これを用いて将来予測を行った」と言っているが、実績値のグラフはどうみても横ばい。

<業務営業用水について~p11>
主に観光客数の増加で水の使用量も増えると予測。

<工場用水について~p12>
主に大口需要(SSK)の「修繕業務に伴う船舶の洗浄等」で一気に激増(1年で3.5倍)すると予測!
信じられます? 実績値は増えるどころか減っている。

水需要の増加理由とは「市の根拠のない希望を述べたようなもの」。
肝心な水道料の話が出てこないが、水道料金は確実に上がる。料金は全市民が同じ単価で支払う義務を負うため、石木ダムから配水されない地域も同料金。納得できますか?

石木ダム建設。県はなんでここまでやるのか、佐世保市の水事情は明らかにねつ造・・・裏にはなにかが

驚くべき事実。覚え書きでは石木ダムは住民と協議した上書面による同意を受けた後に着手するとされています>。・・・これに関し県は「単なる覚え書」と言う!!
裁判でも驚くべき判決(抜粋)
「4 手続 違反の主張について原告らは,本件起業者は,本件 覚書に 基づき, 本件起業地の地権者全員の書面による同意又は少な くとも同意を得るための十分な尽力をしなければ ならず,こ れを欠く本件事業は当事者間の信義則に反し法2 0 条4 号の要件を満たさないと主張する。
しかし, 事業認定に関する処分は,事業の公益性 , 土地利用の合理性 等,法2 0条各号に定 める要件を全て備えているか否かを審査するものであって, 起業地内の権利関係や 当該権利者の特殊個人的な事情は考慮すべき事項ではなく,原告 らの主張する事情は本件事業認定の違法事由に 当たらない」
このような論理(本件は土地収用法20条に関する要件について審査する者であり、そこに定められていないことは関係ない。違法という判断はできない)で逃げています。
この論理は裁判手続き上は間違いとは言えないのでしょうが、約束を守ることがいいか悪いか、ごく一般感覚で言えば悪いに決まっているし、商取引などではあり得ないことだし、自治体のトップが県民を騙したことになり、許せない。
覚書:久保知事1.jpg

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<川棚町長との覚え書き>

佐世保・平戸市のシカ分布


鹿町町から広がったシカが市北西部に分布を広げています。既に平戸島にも入っているのではないかと思っています。
シカは草以外に樹木の枝や葉さらに樹皮を食べるので樹木を枯らします。対馬や五島で自然植生や農作物に深刻な被害を与えています。熊本・宮崎・大分などの山地では樹木が枯れることによる、斜面崩壊なども起きています。また、田んぼの周りはシカが超えないように高い網が張り巡らされています。
西海国立公園の北九十九島には殆どの島に生息し、ついに南九十九島でも目撃されました。島は天敵がいないのでシカにとっては天国でしょう。
地図に示した点ではなく面的に広がっているはずです。一刻を争う事態なのですが愚かにも、関係の役所はまだ他人事だと思っています。
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2006年~現在までのデータ
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メス5頭の集団
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若いメス
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樹皮をかじられたヤマモモノキ。カルスが盛り上がり再生しているが、幹の周囲をかじられると枯れてしまう。このような状態のものが結構見られる。もちろん枯れた木も見られる。
<追 記>
鹿町町を中心に生息するシカはどこから来たのか
鹿町町の現在風車が建っている場所に以前「長崎サファリパーク」があったが1990年7月に閉園。
webを見ていると閉園時にカバを3頭殺処分したとの記事があった。
1990年の秋に近くの明星草原(現在はソラー発電所)に遊びに行った際に、子供達が「シカのおる!」と知らせに来た。残念ながら私は見ることが出来なかった。2006年には小佐々町でヒノキの樹皮剥、2008年には北九十九島の浅島でトベラ樹皮剥ぎ等を見ている。
このように、30年程以前からシカは生息しており、徐々に分布を広げていたのである。
最も近い地域では五島列島の野崎島で、鹿町町から直線距離で40km以上離れている。ここではニホンジカに人が追い出されてしまった。泳ぎが上手なのは見て知っているが、もし泳いで来たのなら、まずは平戸島に上陸するだろう。また、平戸島のニホンジカは既に絶滅している。
これらを考えると現在のシカの由来は「長崎サファリパーク」だと考えても誤りではないだろう。
*シカと書いたが、恐らくニホンジカであろう。

ミヤマアカネ保全田んぼで見られる昆虫

保全田んぼでは箱苗剤・初期除草剤しか使用しませんから、クモや昆虫などが沢山見られます。
その中でも目立つ昆虫を紹介します。
昨年、新たに田んぼを借りてミヤマアカネの受精卵を5個体分(約1500個)移植しました。8/24迄に6頭が羽化してます。
新たな生息地になれば良いのだが。

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カトリヤンマ:成虫は夕方に活発に動く。産卵は9月中旬以降に行われ、卵越冬する。8月の初旬ころに羽化する。
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キトンボ:羽化は8月初旬から始まる。今年は発生量が多く19頭を確認している。ミヤマアカネと同じようにマーキングをしているが、羽化後1~2日の内に田んぼから出ていく。まだ、羽化中の個体や産卵は確認していない。県の希少種(EN)
マユタテアカネの羽化 (7)550.jpg

マユタテアカネ:7月下旬から羽化が始まる。羽化後直ぐに田んぼから出ていく。8月初旬には赤く色づいた個体が見られ、8月中旬には産卵が始まる。水を張っておくと11月下旬まで産卵する。
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コオイムシ:浮き草や水草が生えているところに生息するが、一緒にアカハライモリの幼生・シマゲンゴロウ・シオカラトンボのヤゴ・ガムシSP等が捕れる。
この、コオイムシの背中では2個体が孵化中。県の希少種(EN)
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ツマグロヒョウモン:畦にスミレ類が多いためか、ツマグロヒョウモンが多く、稲の葉で蛹になるのが時々見られる。稲の中では翅を広げるのに邪魔にはならないのだろうか。

2019年 ミヤマアカネ保全田んぼにおける発生状況

ミヤマアカネは例年7月15日前後から羽化が始まりますが、今年は7月30日に1個体が羽化。なんと、15日も遅れています。心配でこの間毎日田んぼを隅から隅まで入念に見て回りました。
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「発生の遅れは何が要因か」
① 農薬
農薬は箱根剤(非ネオニコチノイド系)と初期除草剤とヒエ用の除草剤。箱苗剤と初期除草剤は保全当初から使っていますので外せます。考えられるのはヒエ用除草剤。しかし、影響を考えてミヤマアカネの発生の最も多い水口から10mの間は散布しませんでしたのでこれも外せるでしょう。
*田んぼは水漏れが激しい昔ながらの棚田で掛け流しにしていますので、農薬の効き目は限定的だと思われます。
②天敵
天敵のイモリも相当量間引きしましたのでこれも外せるでしょう?。例年になくウスバキトンボの発生が多いので、ヤゴが捕食された。・・これについては不明。
③気象条件
最後に要因として残ったのは水温。気象庁のデータを見ると以下の様になっています。
2018年の5~7月の気温平均(℃):最高28.0 最低20.8 平均24.1
2019年の5~7月の気温平均(℃):最高27.0 最低19.9 平均23.1
田植えからミヤマアカネの発生時期までの気温は昨年より低かったことが分かります。これは水温にも影響していると思われます。
 毎年100個体を越えるミヤマアカネが羽化する内海さんの田んぼの端と休耕田は冷たい湧水が出ており、ここでの羽化は例年8月6日頃で、保全田んぼに比べると羽化が20日程遅い。今年は7日が初認日でした。このことを考えると発生の遅れは水温の低さが原因ではないかと思います。
④これからに期待
昨年はこれまでの最少の発生個体数でしたが9月2日までに977個体が発生しています。 今の発生状況から考えると、昨年に追いつくことができるのか心配は消えません。
今年から、棚田の最下部で最も広い田んぼの耕作を止めています。発生量が少ない上に面積が広く(1反)農作業が負担になってきたからです。休耕にした田んぼには、昨年ミヤマアカネが産卵をしていますので、狭い範囲を仕切って水を入れています。水が涸れた日もありましたが、発生が続いていますので、今後の保全方法の参考となります。
広い田んぼの代わりに作業のしやすい場所に新たに(1反)田んぼを借りて昨年は受精卵を5個体分(約1500個)放流しました。しかし、まだ1個体の発生も見られません。・・・追記(8/24現在6個体発生)
8月18日にはミヤマアカネの観察会を実施します。その頃にはある程度結果が出ると思います。・・・追記(8/24現在293個体が発生)
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羽化後のテネラルな個体
田んぼA (6)-550.jpg

発生個体数の確認のために全てマーキングしている(中央下)。発生は水口から5mほどの部分集中し、4日ほどは余り動かない。
マユタテアカネ (4)-550.jpg

マユタテアカネは羽化後直ぐに田んぼから出ていき、成熟すると戻ってくる。

大村湾のアメンボ

ナガサキアメンボ
昨年の5月に、「長崎県立長崎西高生物部の女子高生3人が、新種のアメンボを発見した。専門家によると、新種発見は60年ぶりという(長崎新聞より)」。・・・快挙ですね。
大村湾の入り組んだ沿岸部では海の中でもメダカが泳いでいる。女子高校生が疑問を持ったアメンボは以前から見ていたが、メダカが泳いでいる位なのでアメンボも海面上にいて当然だと思っていた。
画像はナガサキアメンボだろうと思うものです。(「ROSTRIA №63 ナガサキアメンボの生態・分類・系統について」では大村湾の汽水~海水面に群れをなして泳いでいた細長いアメンボなら、まず間違いなくナガサキアメンボとみてよい。と書かれています)他の種との区別は産卵管の違いで見るとのことです。
ナガサキアメンボ? (2) - コピー.JPG

シオアメンボ・シロウミアメンボ
これらも、湾の奥部で見られます。特に入り組んだ湾ではシオアメンボに偏ります。
シオアメンボは長崎県の条例で採取禁止とされています。
シロウミアメンボ0005 - コピー.JPG
<シロウミアメンボ(県VU)>
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<シオアメンボ(県CR)>

カラスアゲハの吸水行動
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これも大村湾で見た行動、塩水も吸水することを初めて知りました。

佐世保市の絶滅危惧植物2種の明暗

気になる希少植物が数10種程あり、これらがずっと気になっています。その内2種の確認をしました。

1種はガンゼキラン(斑入り)。合計30株程で2013年3月に発見。花を見るために何度も訪れた。

生育地のスギ林が皆伐され心配していた。7月7日に見に行ったところスギ林は更新されておらず、藪となり生育地への近道には入れずかなり遠回りをしてやっとたどり着いた。発見当時のままで健在。ホットした。

ガンゼキラン (4) - コピー.jpg

<ガンゼキラン>発見当時の画像

次に気になっていたのが将冠岳山頂岩場のマンネングサ個体群。

種が確定出来ずに取りあえずメノマンネングサとしていたが、これまで撮影した画像からタカネマンネングサであることが分かった。市内で2カ所しか確認していない種である。2カ所の生育地は共に半日陰の岩上と言う非常に少ない環境。

将冠岳山頂は九十九島が一望に望めることから最近登る人が多い。7月8日に確認に行ったところ心配が的中。全て消滅していた。消滅の最大の要因は二つ。一つは多くの人が登るようになったこと。二つ目は人が通りやすいように樹木を伐採したこと。

悪意が全くなくとも、このように少し環境を変えただけで、種の絶滅は起きるのです。
タカネマンネングサ?(賞冠岳)550 (20).jpg
<タカネマンネングサ>
タカネマンネングサ?(賞冠岳)550 (17).jpg
<花:3個の心皮が本種の特徴>
タカネマンネングサ消滅した場所2 (2).gif
<従来は①と②の木があったので、赤線の様に人は通っていた。しかし、これらの木を切ったので人はタカネマンネングサの生育場所を踏んで進むようになった>
タカネマンマンネングサ?-2JPG (16).jpg
<タカネマンネングサが生えていたとき>
タカネマンネングサ消滅した場所 3-1550(4).jpg
<この岩の上にもタカネマンネングサが生えていた。多くの人が通るので踏んだのであろう>
植物少年だった中学生の頃から見ていた植物だったのでがっかりした。

長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産のゆくえ

長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産の構成資産である「(1)黒島の集落」「(3)野崎島の集落跡」を囲むように大型風力発電が計画。
環境アセスメントが終了していないにも関わらず、宇久島風力と平戸南風力は海底ケーブルの敷設を始めている。

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(1)平戸南部風力発電事業
長崎県佐世保市黒島から約10km離れた平戸南部風力発電(風力発電機17機)。

(2)西海市江島洋上風力発電事業
長崎県佐世保市黒島から、約20km離れた西海市江島には海上に最大50機が建設される計画。黒島の集落からよく見える場所です。

(3)宇久島風力発電
長崎県北松浦郡小値賀町野崎島の集落から約10km離れた宇久島に最大50機が建設される計画。


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http://ojikajima.jp/category/nozakijima/nozaki 「おぢかアイランドツーリズム」より転載

イコモス本部と連絡が付き5月16日に英文で送る。

世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が2018年7月に登録されましたが、構成資産の周辺に大規模な風力発電計画が次々に進められています。

2018年7月に世界遺産に登録されました。その際に追加勧告として「『世界文化遺産の遺産影響評価に関するガイダンス』(2011)に基づき,遺産内における新規の開発事業について影響評価を行うこと。」とされており、長崎県では「資産内外に関わらず、資産に負の影響を与える可能性がある開発行為について遺産影響評価を行う」としています。しかし、平戸南及び宇久島(寺島を含む)の風力発電計画では遺産影響評価が終わらないうちに、事業者は海底ケーブルの敷設など工事に着手しようとしています。これはUNESCOの追加勧告に反するものではないでしょうか。ちなみにこの両件は環境影響評価も完了していません。

さらに2017年に世界遺産に登録された「神宿る島」宗像・沖ノ島関連遺産群については「洋上または陸上における風力発電施設の建設について、「適切に制限されている」とするだけではなく、資産範囲及び緩衝地帯、さらには資産範囲外であっても構成資産の視覚的完全性に影響を及ぼしうる範囲において、完全に禁止すること。」という一文がイコモスの勧告に付記されているようです(文化庁の発表資料にあり)。

「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の場合、構成資産を囲むように複数の大型風力発電所が建設されてしまい、現地調査時と異なる景観となった場合、視覚的完全性を損なうことになり、世界遺産の登録が抹消されるのではないかと大変危惧しています。特に黒島の集落の南に浮かぶ江島沖海上風力発電計画は、江戸時代以来変わらなかった黒島からの景観に大きく影響するものであり、視覚的完全性を損なうものではないでしょうか。さらにこの海域は潜伏キリシタンが外海から五島列島へと移住した航路にあたり、顕著な普遍的価値にも記されている移住という重要な歴史を物語る場といえます。

このように着々と進められている宇久島風力発電、平戸南風力発電、江島沖海上風力発電の計画は、UNESCOの勧告に反するものであるとともに、『世界遺産条約履行のための作業指針』「Ⅳ 世界遺産一覧表登録資産の保全状況に係るモニタリング」172(*)にも違反しており、遺産の視覚的完全性を脅かすものであることに重大な懸念を表明するものです。

なお、宇久島と寺島には総計770ha(東京ドーム150個分)480MWの大規模な太陽光発電所建設が進められています。こちらは構成資産「野崎島の集落跡」の重要な要素である沖ノ神島神社から見えるにも関わらず、遺産影響評価の対象外とされ、今年度末には送電用海底ケーブルが敷設される予定です。この太陽光発電所の建設についても、沖ノ神島神社からの視覚的完全性を損うものであり、遺産影響評価の対象とすべきではないかと考えています。

*「Ⅳ 世界遺産一覧表登録資産の保全状況に係るモニタリング」172
締約国等からの情報収集
172.
世界遺産委員会は、条約締約国が、資産の顕著な普遍的価値に影響する可能性のある大規模な復元又は新規工事を、条約の下に保護されている地域において実施する場合若しくは許可しようとする場合は、その旨を事務局を通じて委員会に通知するように要請する。資産の顕著な普遍的価値の十分な保存を担保するための
適切な解決策の検討について委員会が支援を行うことが可能となるように、できるだけ早い段階で(例えば、具体的な事業の基本(計画、設計)書を起草する前に)、また、変更不可能な決定を行う前の段階で、通知することが求められる。

*宇久島風力発電については以下を参照
 https://furusatoiine.at.webry.info/201805/article_3.html


                ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

日本イコモスと文化庁へ通知 

世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が2018年7月に登録されました。
当会は長崎県県北地域を主に活動している県内最大の自然保護団体です。性格上、市・県・国の自然保護関係の担当者や要職にある方々と接触します。
ある方から昨年5月に以下のような事実を知らせて頂きました。詐欺的な行為で大変驚きました。
このことをお知らせすべきか躊躇しておりましたが、大型風力発電やメガソーラーの建設により視覚的完全性を損ない世界遺産の登録解除となれば、純粋に地域文化継承のために努力して来られた多くの方々が失望することになります。
このようなことで、お知らせをすることに致しました。

「ICOMOSのUNESCOへの勧告に向けての現地調査では、各市町が自分の区域の構成資産とその資産に負の影響を与える懸念のある自分の市町内の施設等限定の説明を行う形式だったとのこと。
そのため、小値賀町は宇久島風力発電が着工された場合の構成資産である野崎島への影響懸念について、佐世保市が強力に推奨している計画なので、自らの立場での懸念説明をICOMOS調査官に出来なかったとのこと。
一方、佐世保市は九十九島の一つの黒島が構成資産となりますが、市が推進している宇久島風力発電計画は黒島からは平戸島南端に隠されるため、構成資産としての黒島には障害とならないので説明していませんでした。
佐世保市幹部は、宇久島風力発電及びメガソーラー、黒島文化遺産の3兎を狙っています。
その一方で、黒島に影響を与える南平戸風力発電計画を推進する平戸市は、資産の聖地安満岳山頂から南平戸風力発電は、背後のアカガシ林で望見されないことから詳細説明はせず、山頂から望見される生月島風力発電5基を3基に減らし白以外の色彩変更も検討との説明を主としICOMOS調査官に問題なしとされたということ。
そして個別バラバラに自治体が説明した後で、とりまとめの長崎県は宇久島風力発電についてはICOMOS調査官に特段の説明しなかったことから、ICOMOSは宇久島風力発電計画(南平戸風力発電計画・江島沖洋上風力発電計画)を知らずに、UNESCOに登録勧告を行ってしまった、そして関係者によるとICOMOSは相変わらずその計画を知らないままのはずとのことです。
また、長崎県主導で作成された政府推薦書にも本件は触れていないということであり、勧告通りUNESCOが登録決定をしてしまいました。」

このようなことから、現在、「宇久島風力発電・平戸南風力発電・江島沖洋上風力発電」の計画が着々と進んでおり、特に宇久島風力発電・平戸南風力発電所は環境アセスメントが完結していないのにも関わらず、今年5月には海底ケーブルの敷設を始めるという、法に抵触する行為も行われようとしています。

なお、宇久島と寺島には総計770ha(東京ドーム150個分)480MWの大規模な太陽光発電所建設が進められています。こちらは構成資産「野崎島の集落跡」の重要な要素である沖ノ神島神社から見えるにも関わらず、遺産影響評価の対象外とされ、今年度末には送電用海底ケーブルが敷設される予定です。この太陽光発電所の建設についても、沖ノ神島神社からの視覚的完全性を損うものであり、遺産影響評価の対象とすべきではないかと考えています。
                                                  


国見山系には雲仙・多良山系と共通する植物が多い

北松浦半島の国見山系には雲仙・多良山系及び対馬に共通して産する植物が意外に多い。
4月の下旬から5月に掛けて咲く植物を紹介する。

・雲仙山系、多良山系と共通種:ミゾホオズキ・サワハコベ・ツクシアオイ・ヒメテンナンショウ
ツクシアオイは普通に見られ、標高500m以上に多くこれより低い場所ではウンゼンカンアオイが分布する。なお、タイリンアオイは国見山系から広がる北松玄武岩台地にのみ産する。
水辺に生えるミゾホオヅキはかなり希であり、やや湿り気の多い場所に生育するミヤマハコベは多いがサワハコベは希。
ヒメテンナンショウもやや湿り気のある場所に生育しており、やや希。
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ミゾホオヅキ(ハエドクソウ科)

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サワハコベ(ナデシコ科)既に花は終わってる。

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・雲仙山系、多良山系、対馬と共通種:ヒメミヤマスミレ
ヒメミヤマスミレは普通に見られる(葉の裏が紫色を帯びる)。

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ネコノメソウ(ユキノシタ科)・対馬との共通種:ミズタビラコ・ネコノメソウ
水辺に生えるネコノメソウは群落で見られるが産地は少ない、ミズタビラコも同様である。

*多良山系と国見山山系のみに分布する種としてクルマムグラがあるが、まだ開花していない。本種は極めて少なくなり絶滅寸前である。

長崎県本土唯一のバイカウツギ

バイカウツギ(アジサイ科)別名サツマウツギ。
変種としてニッコウバイカウツギ・シコクウツギがある。 
花の形が梅に似ていることが和名の由来。花はすがすがしい淡い香りがするが、葉はもむとキュウリの香りがする。
長崎県植物誌では県内の分布は対馬(上県・美津島)で、少ないとされているが、佐世保市世知原町で1989年5月14日に1株が林縁に成育しているのを発見した。今も健在で現在花が咲き始めている。
両性花であるが一株しかないので種子ができない。おそらく自家不和合性なのであろう。
挿し木で簡単に増やせるが、このままではこの一株になにか有れば絶滅するので、どこかで一枝を手に入れ絶滅を防ぎたいと思っている。

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九頭島の初夏 

佐世保市の最も北にある九十九島の一つ九頭島に行ってきました。
島ではヤマフジ・マルバアオダモ・ハクサンボク・トベラの花が咲いていました。

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イワタイゲキ:トウダイグサ科 海岸の岩石地に生える多年草。花のように見えるのは輪生した黄色い苞葉で、花は苞葉に包まれて小さく目立ちません。苞葉と花が一体となり大きな黄色い花のように見えます。

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キクメイシ:キクメイシ科。ドーナツ状のポリプが並ぶサンゴです。直径30㎝ほどもありました、また近くには大きなミドリイシもありました。海水温が高くなった証拠ですね。

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サラサウミウシ:イロウミウシ科 国内では東西海岸共に普通に産します。

野焼き後の草原の草花

江迎町でも畦畔や草原の野焼きが続けられています。
そろそろ、花も咲き出します。
今日の見ものは希少種のヒメイズイ・コキンバイザサ・オカオグルマでした。他にニオイタチツボスミレ・ノジスミレ(群落)のなども見ることが出来ました。
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ヒメイズイ(キジカクシ科):以前はユリ科でした。標高や緯度の高い地域ではヒメが着くように背が低く葉もまるくなりますが、この辺りでは高さ40㎝ほどになります。よく似たナルコユリはお辞儀するように茎が曲がりますが、本種は直立します。生育地は極希です。

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コキンバイザサ(キンバイザサ科):背の低い草地や岩角地にも見られます。良く似たキンバイザサとの見分け方はコキンバイザサには長い花柄があることです(横から見るとよく分かる)。

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オカオグルマ(キク科):本種は乾いた草原に生えます。良く似たものにサワオグルマがありますが、こちらは和名の通り(沢)湿地にはえ、草丈も70センチほどになります。後ろに写っているのはノジスミレです。

野焼きが育てる草原の草花

3月24日に野焼きをした草原に色々な草本性植物が芽吹き始めました。
野焼きの様子は以下のリンクアドレスでご覧になって下さい。
https://kaisaku.at.webry.info/201903/article_3.html

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秋の七草の一つカワラナデシコ
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秋の七草の一つオミナエシ
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ハルオミナエシとも言われるカノコソウ

他にはシラヤマギク・センボンヤリ(開花中)・ノヒメユリ・ヒロハハナヤスリ・ナルコユリなども芽を出しています。
野焼きはこのような草原性植物を守る大切な行事です。

ヤマアカガエルの危機とアライグマ

ヤマアカガエル(アカガエル科)の危機とアアライグマ
長崎県内の分布は県北部に偏っており、ニホンアカガエルと混生している地域もあるが、主に山間部に棲息している(図の赤丸が佐世保市内での確認地、小さい青丸はニホンアカガエル)。

ここ2~3年でこれまで繁殖地であった場所で産卵数が減少したり、全く産卵しなくなった。世知原町で最も多くの卵塊が見られていた場所(平川原)で、今年はたったの4卵塊。既に幼生がいるはずなのに全く見られない。
ここでは以前からアライグマの足跡があり、近くの定点カメラに頻繁に写っている。

自宅の庭に置いている水草用の水槽にも毎年10卵塊ほどが産み付けられていたが、昨年は1卵塊。
今年も1卵塊生んでいたが、未受精卵であった。メスを待ち受けるオスがいなかったのであろう。
そのまま、置いていたところ卵塊がばらばらになっていた。
自宅近くの定点カメラにアライグマが頻繁に写っており、近所で果物や牛の飼料が食べられるなどの被害が出ており、ヤマアカガエルの卵塊をばらばらにしたのもアライグマと思われる。
おそらく、平川原での卵塊の減少もアライグマによる成体及び卵塊の捕食による結果だと考えて良いだろう。

今年は、確実に繁殖させようと休耕田を借りて、水を溜め繁殖場所を作った。産卵を期待したが駄目であった。
そこで、ここには不適な場所に産卵した5卵塊を探して保全場所に移した。現在幼生となり元気に泳いでいる。
トノサマガエルも急激に減少しており、これまでに無い危機を感じている。
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長崎県北部のヤマアカガエル確認地(赤丸)青丸はニホンアカガエル。

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自宅の水草用水槽に生んだヤマアカガエルの卵塊(未受精卵)に泥がつきばらばらになっていた。おそらく、アライグマが前足で混ぜたためだろう。

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ヤマアカガエル(3卵塊ある)・カスミサンショウウオが産卵する小さな溜池だが、漏水が激しく水が涸れる。イノシシのぬた場にもなっている。ここの3卵塊を保全田んぼに移動。

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保全田んぼで元気に育つ幼生

早春の草花

里地で早春の花と言えばアオモジやナンバンキブシなど樹木の花が目立ちますが、明るい林の縁ではコスミレやタチツボスミレなども見られます。一方沢沿いなどで半日陰の場所ではオオチャルメルソウやヤマネコノメソウが花を咲かせています。

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オオチャルメルソウ(ユキノシタ科)
沢沿いの林下で見られます。佐々川の上流域では多いのですが他の場所では希です。
カに似た体型をした、キノコバエ類が訪花するそうです。
開花の頃はまだ、昆虫が多い時期ではないので、特殊な生活史を持っているのでしょう。
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ヤマネコノメソウ(ユキノシタ科)
北海道西南部から九州まで広く分布しています。湿り気の多い林縁や林床などに見られます。
花は黄緑色で目立ちませんが、果実が出来ると2つに裂けて種が見え、それが猫の細い瞳孔のように見えることが和名の由来のようです。
世知原町・吉井町には県内では少ないネコノメソウも生育しています。

春を告げるオガタマノキ→https://kaisaku.at.webry.info/201903/article_1.html

トレイルカメラによる撮影

棲息する動物の種や行動を調べるために世知原町内に5台。小佐々町と佐々町の境界に1台、吉井町に1台、江迎町に1台のカメラを設置しています(カメラを○で囲んでいます)。
世知原町以外ではシカの分布調査が大きな目的です。
設置場所が適当でないと殆ど動物は写りません。動物たちも人と同じで藪のなかより歩きやすい道をよく利用しています。縄張りを巡ったり餌を捕るために通り道が決まっているようです。
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吉井町の調査地。シカの好物のイヌビワの樹皮剥ぎ痕があったので昨年5月にカメラを設置しましたが、シカはまだ写っていません。
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江迎町の調査地。ここではシカのフィールドサインは見られていませんが、カメラを設置しています。
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佐世保市北部のシカの分布図(以前鹿町町にあったサファリパークからの逸出と考えられます)

これまで、トレイルカメラが撮影した動画を編集し、ユーチューブにアップしましたので、リンクアドレスを貼り付けます。暇なときに見て下さい。34-37はトレイルカメラではなくビデオカメラで撮影したものです。

(2)ノスリの水浴:https://youtu.be/cZxWB9MoPqc
(3)アカヤマドリ(1):https://youtu.be/DXHe4o6TybA
(4)タヌキ+ネコ+キツネの連続マーキング:https://youtu.be/fQ90a_JurnE
(5)トラツグミがミミズを捕らえる:https://youtu.be/GejVCTkLSo0
(7)森の中でドングリを食べるオシドリ:https://youtu.be/BGDy4pRRiO0
(9)アライグマの採餌:https://youtu.be/HBljyZWuwJU
(10)雪とキツネ:https://youtu.be/42AN3Ufi-Ng
(11)キツネのうんち:https://youtu.be/nI0dO8i5lzw
(12)ルリビタキがマムシグサの果実を食べる:https://youtu.be/mZigaf238yY
(13)カメラを覗くキツネ:https://youtu.be/rsoDICyP6rs
(14)アナグマのマーキング:https://youtu.be/bP_rfCWsa98
(16)疑似餌を使って狩りをするササゴイ:https://youtu.be/htDoDzg_FL0
(17)キュウシュウフクロウ:https://youtu.be/7rrTjXrLD8w
(18)ヤマシギの採餌:https://youtu.be/uUtCOgsKGCg
(19)佐々川のカワガラス:https://youtu.be/6i9I8xFOsp8
(20)アカヤマドリいろいろ:https://youtu.be/hc5rLDwrcFg
(21)珍しいノイヌの群れ:https://youtu.be/PxGUiDxmciI
(22)泳ぐアカネズミ:https://youtu.be/pA2_zPz18tI
(23)ニホンノウサギの耳はパラボラアンテナ:https://youtu.be/pGDLAMgjaNk
(24)子ギツネコンンコン:https://youtu.be/tkABkczX8Iw
(25)ウリ坊は可愛い:https://youtu.be/4uDFKHrolJ0
(26)ニホンアナグマは近眼か:https://youtu.be/QY9A9vcIgpE
(27)佐々町のシカ(夜間の行動):https://youtu.be/izv-ukyxMuM
(28)素早い動きのホンドテン:https://youtu.be/ZAZr-VvD_dU
(29)里地限定?ホンドタヌキ:https://youtu.be/ipJVbzsRWEA
(30)ネコ→タヌキ→キツネ連続マーキング第2弾:https://youtu.be/72viEiLWaBk
(31)ウリ坊から少し大きくなったこどもたち:https://youtu.be/QWL_ML3cqmY
(32)国鳥キジ:https://youtu.be/JiQUWMH4p-8
(33)キツネのマーキング:https://youtu.be/tM10un7MMgY
(34)グンバイトンボの集団産卵:https://youtu.be/Qhqypjju45I
(35)アブラボテのペア:https://youtu.be/jwRUaStITCk
(36)諫早湾の鳥(1):https://youtu.be/OT9sR3XQMc8
(37)諫早湾の鳥(2):https://youtu.be/biHxyWtFHg8
(38)キツネの鳴き声(7種)https://youtu.be/vtTR7D_VeAI
(39)シロハラがムサシアブミの果実を食べる:https://youtu.be/sr4UVlM9T1M
(40)杉花粉が一気に飛び出す:https://youtu.be/CBPqewwoQOA

長崎県北部最後のカワガラス生息地

カワガラス(カワガラス科)は長崎県・佐世保市共に希少種で長崎県は絶滅危惧Ⅰ類(EN)、佐世保市では最も絶滅の恐れが高い絶滅危惧ⅠA類(CR)に選定されています。
25年程前までは旧市内の小川内川(相浦川支川)、相浦川、赤木川・田代川(佐世保川の支川)、日宇川の上流・中流域に棲息していました。
しかし、次第にいなくなり現在は佐々川の上流・中流域にしか棲息しません。原因ははっきりしませんが、河川改修や農薬の影響が考えられます。
佐々川の上流域にカワネズミの調査用に定点カメラを1年半の間6台設置していました。目的のカワネズミは確認出来ませんでしたが、カワガラスが頻繁に写っていました。個体識別が出来ませんのでどれほどの個体が棲息しているかは分かりません。2度幼鳥が写っていましたので繁殖は出来ているようです。
昨年7月8日の大雨の後は上流域でカワガラスが写らなくなりました。おそらく、大雨で餌となる水生昆虫やサワガニ(食べているのが写っていた)などが極端に少なくなった為と思われます。
今後も消長が気になる野鳥です。
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長崎県北部唯一のカワガラス
ユーチューブリンクアドレス:https://youtu.be/6i9I8xFOsp8

長崎県北部のシカ

長崎県北部(本土)では鹿町町・小佐々町・江迎町・佐々町にシカが生息しています。
県内の分布からみて自然分布ではなく、以前鹿町に有った動物園からの逸出だと思われます。秋になると鹿子模様がなくなるので外見からはニホンジカのようです。
日本に棲息するニホンジカはエゾシカ、ホンシュウジカ、キュウシュウジカ、マゲシカ、ヤクシカ、ケラマジカ、ツシマジカの7つの地域亜種に分類されています。
動物園由来なのでどの亜種か不明ですが、大きさからホンシュウジカもしくはキュウシュウジカではないかと思っていますが、雑種かも知れません。
いずれにしても、シカが増えると不可逆的な植生破壊が起きます。最も心配なのは固有植物の多い平戸へ分布を広げることです。
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動画をユーチューブにアップしています。
https://youtu.be/oaz4R3YF22Q

キツネとテンのマーキング合戦

面白い動画をユーチューブにアップしました。 https://youtu.be/ub5njw7dsfI

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○囲みの石に、まずキツネが放尿(マーキングにしては量が多い)、テンがやってきて同じ石にマーキング、キツネが来てマーキング・・・とこのようにマ-キング合戦をしていました。
両種ともに同個体かどうかは不明です。
一段落したのか、キツネはこの後は別の場所にマーキングをしていました。

干支の亥

自宅近くに定点カメラを置いています。
キツネ・タヌキ・アナグマ・イタチ・テン・ノウサギ・アライグマ・アカネズミなど、この辺りに生息するほ乳類が全て写ります。
最も多いのはアライグマついでイノシシです。
今年の干支の生態の一部を紹介します。

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(メス・水浴中・・・夏には沢で度々水浴する姿が写っています)

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(メス・妊娠中・・・結構好奇心が強くしばしばカメラを覗きます。濡れた鼻を動かし情報を収集しています)

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(子連れ・・・2~5頭を連れていることが多い。子が結構大きくなっても一緒に行動しているのが写っています)