県境の植物

世知原町は佐賀県伊万里市と接している。国有林の管理は以前は武雄営林署であったが、今は県別に分かれ、長崎県は長崎森林管理署、佐賀県は佐賀森林管理署が行っている。
国有林は施行の区域を林班とて管理し、林班境には保護樹帯という細長い森林が残されているが、保護樹帯が県境に沿っていることもある。長いこと伐採されていないので面白い植物が残されていることが多い。
今回は、この保護樹帯を歩いてみた。

<ヒメテンナンショウ(キリシマテンナンショウ)、サトイモ科。日本固有種であり九州中南部に分布。県内では多良山系,雲仙山系,東彼杵,佐世保(国見山)に分布(県VU・市EN)。
湿度の高いところを好むようで、湿地の周辺に多い。和名にキリシマテンナンショウの名もあるが、霧島に行くと多く、しかも大型。この辺りでは霧島のものに比べると明らかに小さくヒメテンナンショウと言った方がぴったりくる。>
ヒメテンナンショウ (1)-550.jpg

<ネコノメソウ、ユキノシタ科。日本固有種であり、南千島、北海道、本州、九州北部に分布する。県内では対馬と佐世保(吉井町・世知原町)に分布(県EN・市EN)。生育地は山地の湿地、谷間、山麓の湿った場所であり、大きな群落を作ることがある>
ネコノメソウ (4)-550.jpg

<チャイロカワモズク、カワモズク科。チャイロカワモズクの分類は十分に行われていない。市内では数カ所で確認しており、生育地は綺麗な水の流れる細流で木漏れ日が差す程度の場所の小石に等に付着していることが多い(ミドリカワモズクは日照を好む)(国・県NT・市VU)。
チャイロカワモズク (3)-550.jpg

<シラコスゲ、カヤツリグサ科。北海道、本州、四国、九州、朝鮮、中国、台湾に分布する。県内では雲仙山系・長崎・対馬・諫早(希)・市内では国見山山系でのみ確認(県VU・市CR)。いつも地面が湿っている場所を好むが、周囲の樹木が大きくなり暗くなると消滅する。今回はヒノキ植林地の作業林道に生えていた。恐らく数年で消滅すると思われる。
ヒメシラスゲ (1)-550.jpg

<ツクシアオイ、ウマノスズクサ科。日本固有であり、九州(北西部)に分布する。県内では長崎・雲仙山系・多良山系、市内では標高400以上に分布し(標高500m以下ではウンゼンカンアオイが分布)、照葉樹林内よりも杉林に多く見られる(国・県・市VU)。
ツクシアオイ (1)-5510.jpg

<キンラン、ラン科。北海道を除く日本各地、中国、朝鮮半島に分布する。市内では比較的見る機会の多い地生ラン(国・県・市VU)。広葉樹林・スギ林などの比較的明るい林縁で見られるが、掘り取っての栽培はきわめて難しく、数年しか栽培できない。これはキンランの菌根(ラン菌)への依存性の高さが挙げられる。野に咲く花は野で見よう!!>
キンラン-550.jpg

<エビネ、ラン科。日本では北海道西南部から沖縄島までに分布(国NT・県NE・市EN)。市内ではキンラン同様に比較的見る機会の多い地生ラン。しかし、花の付いた株は見る機会は少ない。一時栽培ブームとなり見られなくなったが徐々に回復しつつある。>
エビネ (8)-550.jpg

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