宇久メガソーラーの裏を見た(Ⅲ)

林地開発からみたアセスメント実施のごまかし
宇久みらいエネルギー合同会社から宇久メガソ-ラー建設に関わる林地開発許可申請 A工区:20.2638ha・B工区:17.4015ha・C工区:22.2402ha・D工区:8.0580haの合計:67.9635haが出されている。
長崎県環境影響評価条例では、土地の形質の改変を伴う面積的な広がりを持つ事業で、面積が30ヘクタール以上の規模の場合、条例の対象事業となる。そこで、県にアセスメントが不要な理由を質問したところ(http://www5d.biglobe.ne.jp/~furusato/youbousho.htm)、

「宇久メガソーラー事業の改変面積は、太陽光発電施設の支柱部分、送電鉄塔用地、変電設備用地、交直変換所用地、管理道路用地及び調整池又は沈砂池用地の造成にかかる面積が該当し、図面の提出及び事業者への聞取りにより確認しました。
 その結果、改変面積が30ヘクタールに満たなかったことから、当該事業は環境影響評価の対象外と判断しています。」
との回答であった。

ここで大きな疑問がある。知事の林地開発許可が必要なのは、地域森林計画対象の民有林において、1ヘクタールを超える開発行為。「開発行為とは、土石又は樹根の採掘、開墾その他の土地の形質を変更する行為(森林法第10条の2)。」
土地の形質の変更がないのであれば、林地開発許可申請は必要ない。にもかかわらず、林地開発許可を申請したと言うことは「土石又は樹根の採掘、開墾その他の土地の形質を変更する行為」があるからで、そうであれば、長崎県環境影響評価条例で言われる「土地の形質の改変」があるからである。
田んぼや畑に樹木が生えた場所ならば(この場合の地目は林地にならず農地)、別だが、林地の樹木を伐採したあとには岩などもあるはず。岩や根を起こし整地すれば土地の形質を変更したことになる。果たして、土地の形質の変更なしにソーラーパネルが設置できるのか疑問である。県は正確な聞き取りをしたのだろうか?

当方で調べた結果改変面積は28haと分かった。林地開発によりあと2haを超えることは間違いない。ただこの場合事業者はアセス逃れでどこかを減らすという常套手段を使うだろう。
事業により環境に大きな影響を与えることを、できる限り減らす努力をするのが境影響評価の主旨である。広大な面積の土地をパネルで覆うのは植生を破壊し、生態系への影響は計り知れない。なのに、パネル設置に関しては支柱の面積(営農型)のみを土地の形質の変更として扱うのは常識では考えられない。県はこれまでと異なる開発と規模に対した境影響評価条例を早急に構築すべきである。

当会の質問では詳細な回答をお願いしていた。しかし、回答では単に改変面積が30ヘクタールに満たなかったと書かれているだけである。
誠意をもって回答をするのであれば、少なくとも支柱部分、送電鉄塔用地、変電設備用地、交直変換所用地、管理道路用地及び調整池又は沈砂池用地の造成に係るそれぞれの面積を記載すべきである。
それをしなかったことは情報を隠蔽したのと同じ。

<ソーラーパネル位置(色は無意味)>
めがそらー位置.gif

<林地開発許可申請(一部)>
林地開発許可申請.gif

<県の回答>
アセス質問回答001.gif


宇久メガソーラーの裏を見た(Ⅱ)

2019年10月04日 Net IB Newsによれば「メガソーラーに揺れる宇久島~着工目前、島民の声(1)」
において、メガソーラー建設について30人への聞き取り結果、50%:どちらとも言えない。33.3%:反対。16.7%:賛成。であった。サンプル数が少ないのでなんとも言えないが、「どちらとも言えない」は、島特有の文化があるので意見を言わなかったのだろう。この50%を除いて考えると反対者が多いと取れる。
7月11日の説明会では、宇久島はメガソーラー建設用地の地権者だけのものではない。それ以外の島民の声は無視されているとの声が出されるなど、反対意見が多数出されていた。もっとも説明会に参加して意見を言おうという方々はこのことを真剣に考えている方が多いからであろう。
地元からの最近の情報では、建設作業員最大1,200人収容の宿舎建設が「宇久総合運動公園に許可された」。しかし、佐世保市宇久地区体育施設条例によれば、宇久総合運動公園という市の施設は存在せず、条例での名称は「宇久陸上競技場」となっている。
条例にない施設に作業員宿舎の建設を許可したのである。この許可要件として、「地元からの要望があること」(文書2)とされているが、誰一人として、作業員宿舎の建設の要望をしたことはないとのことである。考えられることは、要望書(文書1)が援用されたと考えられるが、これは、一般的には行政では行われないことではないだろうか。
☆宇久メガソーラーの裏を見た(Ⅰ)で書いたように、要望書は区長個人として署名捺印されたものを、区民全体の要望として扱っている。

<宇久太陽光・風力位置図>
宇久太陽光・風力位置図.gif

<推進要望書(文書1)>
推進要望書001.gif

<宇久陸上競技場>
陸上競技場.gif

<宇久町総合公園敷地の目的外使用許可について(文書2)>
許可要件1-2.gif




宇久メガソーラーの裏を見た(Ⅰ)

宇久メガソーラーについては本ブログ「https://furusatoiine.at.webry.info/201910/article_1.html」に詳しく掲載している。
平成30年2月7日に、宇久町26区の内23区の区長らが市に対して宇久メガソ-ラーの推進を要望している。この際に農振除外、農地転用許可について「区長の立場として住民に対する説明など全面的に支援する」と述べている。
23区となると住民の80%程度が宇久メガソ-ラーの推進を要望しているとして、この要望書を元に市は農振除外を進めている。また、宇久町陸上競技場への宿舎建設・林地開発にも利用された可能性がある。
しかし、7月11日の事業者の説明会の録音で明らかなように「事業者は時間が無かったので、区長個人として要望書への署名捺印を依頼している」事実が明らかになった。(https://youtu.be/acLaP5h8OCo)参照
この要望書は区長個人(23名)の要望書であり住民の要望ではないとして、抗議した宇久住民に対し市は、「佐世保市としては内容に関係なく書式が整っておれば、受理して違法でない」と言っている。
このことを聞いて、以前ブログにアップした「事業者と県」のやりとりが、現実のものとなっていると思った。
それは、住民の建設同意の取り方について、佐世保市の政策経営課は日本風力に対し「区長の同意を取ることで地区全体の同意と見なせばよい」と指南をしていた。恐らく、宇久メガソ-ラーについても同様な指南をしていたと考えて良いだろう。

以下は説明会の録音(抜粋)ユーチューブリンク
30分版
https://youtu.be/jsycxXZxoII
7分の短縮版
https://youtu.be/acLaP5h8OCo

<宇久ソーラーパネル配置図>北側に草原が多く、草原性の希少植物が多い。
宇久太陽光位置図-550.jpg


<対馬瀬方面>灰色と赤色のメッシュがソーラーパネル
対馬瀬.gif

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<乙女ヶ鼻方面>
乙女が鼻付近.gif

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<本飯良方面・・小値賀島方面>
本飯良方面.gif

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<長崎鼻方面>ここは、メガソーラー反対者が多く建設されない。
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<区長個人名で出されたメガソーラー推進の要望書>他に22枚ある。
要望書・神原001.gif


ミヤマアカネ田んぼの生き物

昨日がミヤマアカネ発生初日でした。以下にアップhttps://www.facebook.com/Furusato.Sasebo
今日は久し振りに天気が良かったので、毎日の田んぼ見回り中に少し生物を見てきました。

<コオイムシ(コオイムシ):この田んぼでは比較的多く見られます。オスが卵を背負っているのは良くみますが、今回のように稲の葉に登っているのは初めて見ました。5個体を見ましたのでたまたまではなく、生態の一部だと思います。近づくと水に落ちてしまいます。>
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<コブノメイガ(メイガ科):発生源は海外からの飛来で、主な飛来は6月下旬~7月中旬にみられ、その後2~3世代を経過するとのこと。被害が問題になるのは飛来後第2世代幼虫による出穂期前後の食害。今年は特に多く畦を歩くと何匹ものガが飛び回ります。稲の収量は少ないかも知れません>
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<シオカラトンボ(トンボ科):ウスバキトンボと共に盛んに羽化しています。ミヤマアカネの天敵です>
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<マユタテアカネ(トンボ科):ここでは、最も早く羽化し羽化後直ぐに田んぼから出てき来ます。早朝に田んぼに行くと羽化後の若い個体が不器用に飛んでいくのが見られます。写真の個体は羽化後の数日経過した個体でしょう>
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<シュレーゲルアオガエル(アオガエル科):ここで、卵から幼生期を過ごす緑色をしたカエルは2種で、アマガエルとシュレーゲルアオガエルです。他にはヌマガエルがいます。>
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<アカハライモリの幼生(イモリ科):この田んぼには、他の田んぼでは見られないほど多くのアカハライモリが繁殖にやってきます。ミヤマアカネの幼生を捕食するようで、間引きをしてよその田んぼに移しています>
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<ウリカワ(オモダカ科):除草剤を殆ど使わないので(ヒエ用を少し使う)、水田雑草が沢山生えています。中でもウリカワは多く白く可愛い花を咲かせます>
ウリカワ550.jpg

中々会えない植物

主に、自宅からそう遠くない市内のあちこちを歩いていきもの探しをしています。今回は6月中旬頃から7月中旬の1ヶ月間ほどに見られた「中々会えない植物」を紹介します。6月の中旬を過ぎると、秋まで花は殆ど見られなくなりますがシダ植物が面白くなります。

<オニヒカゲワラビ(イワデンダ科):山地のやや湿度の高い林下に生える常緑性シダ。以前は吉井町で見られていたが、スギ林の伐採で消滅。今回見つけたのが市内唯一の個体>
オニヒカゲワラビ-550合成.jpg

<ヒロハクリハラン(ウラボシ科):クリハランと同じように川沿いの林などに生える常緑性シダ。まだ、ソーラスが出来ていないが、葉の幅が約10センチ、長さが50センチほどもあり、クリハランとは明らかに異なる>
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<イヌガンソク(イワデンダ科):夏緑性のシダで、山地のやや明るい樹林下や山道の路傍などに生育する。国見山に数カ所生育地があったが植林したスギが大きくなり暗くなったことで、殆どが枯死した。本個体は明るい林内に生育していた。>
イヌガンソク-550.jpg

<クモキリソウ(ラン科):やや湿気が多く比較的明るい林内に生える。クモキリソウ属で一般的に見られるのはコクランがある>
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<マイサギソウ(ラン科):ヤマサギソウの種内変異で同じように草原に生える。距は、明確に上方に伸びる。国内分布は北に偏る>
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<キヨスミウツボ(ハマウツボ科):寄生植物で寄生相手は意外に広い。花が終わっていて種子が出来ていた(花は九千部で撮影)。市内では初記録と思う>
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<オオナルコユリ(ユリ科):ナルコユリに比べると全て大型で、茎の高さ80~70㎝、葉は長さ15~30㎝になる。時折見かけるがこれほど大きなものは初めて見た>
オオナルコユリ-550.jpg

諫早湾貝類調査

諫早湾(高来町・小長井町)に 10年ぶりに行ってきた。
諫早湾が締め切られ潮流が変化した影響と考えられるが、島原半島側では軟泥がなくなり砂地に変わっており、軟泥が必要な生物は壊滅状態である。高来町・小長井町にはまだ、軟泥が残っているが10年前に比べると減っており、諫早湾独特の環境が無くなりつつある。
今回の調査ではアズキカワザンショウが激減(80%以上)し、場所によっては消滅。シマヘナタリも同様。また、高来町ではウミマイマイ・カワグチツボは確認出来なかった。
内湾環境に生息するオカミミガイ・ヘナタリ・ウミニナ・センベイアワモチ・キヌカツギハマシイノミ・シイノミミミガイなどのように諫早湾以外でも見られる種の減少はなかったが、諫早湾の環境に生息していた種は確実に減少している。今後数十年で絶滅するのではないかと考えられる。

<シマヘナタリ(左)+フトヘナタリ(フトヘナタリ科):この二種が交接している。どちらが間違ったのか・・・。いずれにしても極めて珍しい>
シマヘナタリの交尾?右はフトヘナタリ?-550.jpg


<クロヘナタリ(フトヘナタリ科)・岡山大学の福田先生によれば、クロヘナタリの産卵の画像は見たことがないとのことでした>
クロヘナタリ (8)-550.jpg


<クロヘナタリの交接>
クロヘナタリ-550.jpg


<アズキカワザンショウ(カワザンショウ科):2010年の調査では普通にいたのに、今回はかなり探さなければ見つけ出せなかった。しかも、殻表が摩耗した個体が殆どで、世代交代が上手くいってないのだと思われる>
アズキカワザンショウ (6)-550.jpg


<オカミミガイ(オカミミガイ科):本種は以前と変わりなく沢山見られた>
オカミミガイ (3)-550.jpg


<センベイアワモチ(ドロアワモチ科):以前と変わらない>
センベイアワモチ (4)-550.jpg


<キヌカツギハマシイノミ(オカミミガイ科):以前と変わらない>
キヌカツギハマシイノミ (7)-550.jpg


<シオマネキ(スナガニ科):以前は記録していない。多分貝を探すのに夢中で見ていないのだと思う>
シオマネキ (5)-550.jpg


<ムツゴロウ(ハゼ科):調査地では健在だったが以前より少ないと感じた。軟泥が少なくなっているので減少していると考えられる>
ムツゴロウ-550.jpg